美味しすぎる曲
デビュー前でこの変態度と独特なメロディ、エフェクターの凝り方、聞けば聞くほど噛めば噛むほど美味しくなるスルメ曲、フジファブリックの「お月様のっぺらぼう」。イヤホン全てから聴こえてくる音が全部どスケベなのだ。
裏打ちの音が多すぎて脳内がバグりそう(褒めてる)だし、変態とはこのことか…と思わせられる。
初期でやるレベルではないのである(と思った。個人の感想)。
ずっと同じコードで鳴り響いているカッティングギターも大変どスケベさを感じるが、裏打ちのドスケベコードのピアノ、それに乗って裏打ちのボーカルの旋律といい、裏打ち大好き人間としてはいつのまにか口の中でヨダレが分泌されているほどの美味しい曲。多分朝ご飯くらいのカロリーは摂取できると思う。
この曲のすごさはリズム感だけではなく、世界観までぶっとんでいる。
「お月様のっぺらぼう」って何だ?となる。お月様、まではわかる。けどお月様に続き「のっぺらぼう」って何だ?気になって歌詞を見てみる。
「眠気覚ましにと飴一つ その場しのぎかな…とまたひとつ」
あ、飴ひとつ…その場しのぎかなとまたひとつ…クセになるリズム…なんでのっぺらぼうと関連性が…?り、リズムがクセに!ああああ!!のっぺらぼうは何だあああア!!!!!(楽しい)
続いて、サビ。
「ルナルナ お月様 のっぺらぼう」
のっぺらぼうについては詳しく言っていない。「ルナルナ」しか言ってない。
続きを見てみる。
「あの空を見た 遠くの空には虹がさした」
なるほど、お月様を見上げて、その空には虹がさしていると…解釈した。
でも、のっぺらぼうは…つまり、何なんだろう……
色々考えたが、この曲においての「のっぺらぼう」とは顔がない月のことを言っていると思った。
それか、のっぺらぼうって日本の昔話とかでよく怖い話とかに出てくるアレを連想する。
なので、ちょっと奇妙な、怖い感じがする。
でも志村正彦はのっぺらぼうについて無機質に歌いながら何も説明してくれない。ドSすぎる。のっぺらぼうについて永遠と考える日がくるなんて…。もしかして
「ルナルナ」
の部分に月とのっぺらぼうについての全てが詰まっている…ということなのだろうか。
知りたくて、でも全てを言わないってのが中毒性を出してて、奇妙で謎めいた世界を味わいたく、何回も聴いてしまうのだ。